Photo:cameraworks by Takewaki rengoDMSホール階にて

人の身体=痕跡/仲正昌樹 2014年3月

人間は、自らの「身体」を基準にし、「自=内部/他=外部」の境界線を引こうとする。自らの「身体」は、周囲の空間から明確に区分された、統一体として表象される。「私」は統一体としての「身体」の中にあって、外部の「世界」と向き合っている。

しかし、自らの「身体」の表面に意識を集中させた時、「私」は「身体」が決して外部から孤立しているわけではないことに改めて気付く。腰かけている椅子、手をついているテーブル、皮膚に感じる風、目に入って来る光……それら外界から入って来るものとの接触を通して、「私」は自らの「身体」が、「今、此処」にあるのを感じる。

「私」の「身体」が、ある限られた空間の中を動き回っている時、「身体」と「空間」がどこかで溶け合って相互浸透しているかのような錯覚を覚えることがある。その錯覚はすぐに消え去り、身体感覚の剰余は、亡霊のように消えて行く。その亡霊を捉えることができたら、「世界」と「私」の関係はどう変化するだろうか。

Mein Körper ist die Grenze zwischen Innen und Außen. Er wird immer von einem Gespenst begleitet. Es besteht aus den Spüren meiner körperlichen Bewegungen. Bei mir spukt es, wenn ich mit meinem Körpers bewußt umgeht. Man spürt die übersinnliche Hantologie in dem begrenzten Raum, wo sich der Körper befindet. Wie kann man seinem Gespenst begegnen?

Masaki Nakamasa