住宅とインテリアの境界を超える視線。

投稿日:2012年11月15日

 

住宅業界では、建物とインテリアを切り離して捉え、
プランを考える担当者も別々に立てるケースが多々あります。

 

しかし、住宅はあくまでも、生活を入れる「器」のような存在。
それ単独で機能するわけではありません。
器に入れるアイテムを含めて、バランス良く編集・デザインすることが、
私たち建築家の仕事なのではないでしょうか。

 

だからこそ、私たちは、多くのプロジェクトで、
心地よく暮らすための家具や雑貨も含めた提案を進めてきました。
また、社内でも実際に様々なアイテムを購入し、使用してみることで、
よりよいものたちや、よりよい組み合わせを積極的に模索しています。

こうした取り組みの中で、
「建築された器」の中で使用されるインテリアや雑貨への理解を深め、
住宅に必要な造作や、インテリアとの組み合わせを学んできました。

デザイナーや建築家は、全てをデザインしようと考えがちです。
インテリアも建物の一部として造作することもよくありますし、
それが有効に作用するケースも多々あります。
しかし、プランによっては、市場に出ている質の高い家具や雑貨を
取り入れていくのも選択肢のひとつです。

 

イケアでも、無印良品でも、100円ショップでも、
クオリティの高いインテリアや雑貨がありますし、
世界中のマスターピース的な家具も、
一般的に普及されるところまできています。

 

大切なのは、これらを正しく選び取る知識やセンスを持っているかどうか。
住宅づくりには、建築の領域とインテリアの領域を横断する眼が必要なのです。

 

オーダーメイドのオリジナル造作から、高級家具、安価な既製品まで。
それぞれのデザインと合理性、コストパフォーマンスを理解しながら、
何をどのような方法で選定し、取り入れていくのか。

 

こうしたバランス感覚や、編集スキルこそ、
私たちデザイナーに求められるものなのではないでしょうか。

 

既製品を知った上でオーダーメイドの造作をデザインすること。
オーダーメイドの造作を知った上で既製品をセレクトすること。
そして、分業された建築とインテリアの境界を超え、
再編集を行い、ひとつのライフスタイルをデザインしていくこと。

 

それが、私たちrengoDMSの仕事であり、
家づくりのスタンスでもあります。

 

 

2012.11.15

2012.11.15 投稿|