「建築模型」をつくる意味

投稿日:2013年11月19日

■建築模型は2回壊す。

 

 

rengoDMSの建築デザイナーは、
1軒の住宅をつくるために、最低3つの建築模型をつくります。
お客様にお見せするのは最後の3つ目がほとんど。
その前の段階で2つの建築模型は壊してしまいます。

 

なぜ、そんなことをするのか。
それは、住宅をつくるプロセスとして、
必要不可欠な作業だと考えているからです。

 

 

■繰り返される破壊と再構築。

 

 

1つ目の建築模型は、窓がない、全てが壁の状態からスタートします。
壁だけで構成された「箱」を立体的に眺める作業を繰り返し、
どこに光を取り込むべきか。どこに暗さをつくるべきか。
生活の中にあるべきコントラストをイメージしていきます。

2つ目の建築模型では、窓や扉をつくり、模型に光を当てながら、
さらに具体的な姿をつくり上げていきます。

そして3つ目では、ミニチュアの椅子やテーブルや人型を入れ、
家具の配置や、人が立つ位置、座る位置までを想定し、
実際の生活の中で生じる目線の高低差、
人の動きまでを綿密にシミュレーションします。
ここまでして、やっと、お客様にお見せする建築模型が完成します。

 

 

■「建築模型のための建築模型」はつくらない。

 

 

お客様へのプレゼンテーションや、パフォーマンスのために、
建築模型を制作する設計事務所やハウスメーカーもあるようですが、
それは、「建築模型のための建築模型」になりがちです。

 

rengoDMSの建築デザイナーにとって、建築模型はあくまでも、
住まいと生活をデザインするために存在する「道具」。
だから、役割を果たすまでは、何度でも壊し、つくりなおします。

 

住宅は立体的な空間です。
図面の上だけでは想定できない、光や影、空気の流れさえも、
設計・デザインに取り込まなければなりません。
その工程の正解を探るための「物差し」。それが建築模型なのです。
だから、rengoDMSの建築デザイナーは、設計・デザインを手がけるとき、
いつでも、傍らに建築模型を置いて作業を進めています。

 

 

■建築模型の見方、住宅づくりの楽しみ方。

 

 

この考え方は、お客様が建築模型を見るときでも、基本は同じです。
建築模型は鑑賞を目的とした「作品」ではありません。
(もちろん、鑑賞物としても十分なクオリティで制作いたしますが)
お客様にとっても「道具」だとお考えいただければ間違いはありません。

 

図面やパースからはイメージするのが難しかった、
立体的な生活シーンを想い描きながら、
採光や通風、家族の動きなどを建築デザイナーとともに検討し、
感じた事をまっすぐに教えてください。

 

完成した住宅は、壊すわけにはいきません。
だから、必要があれば、3つ目の建築模型も壊し、
4つ目をおつくりすることもあります。

 

こんな風に書いてしまうと、何だか険しい道のりのように感じてしまわれる
お客様もいらっしゃるかも知れませんが、ご安心ください。
建築模型を眺めながら、あれこれイメージを膨らませていく時間は、
とても楽しいもの。家づくりの醍醐味のひとつです。
家づくりという特別な時間を、rengoDMSの建築デザイナーと共に、
目一杯お楽しみいただければ幸いです。

 

 

2013.11.19

2013.11.19 投稿|