簾戸とつくばいの清涼感。

投稿日:2019年05月03日

暖かくなってまいりました。日本には伝統的に涼しさを味わう知恵がたくさんあります。今回ご紹介するのは、東京のど真ん中に居住するお客様が、週末には身近な自然環境のある千葉に別宅を構えた事例から。敷地内に以前住まわれた方が大事にしてきた屋敷林をそのまま借景にできないか?それが土地を大事にするスタートだと。素敵なお考えに感銘を受けました。

私たちは、敷地内の林を借景するだけでなく、林の音、水の音、そして風を感じる清涼感を暖かい時期には感じることが、この土地の持つポテンシャルを肌でお客様が感じられると思い、ご提案させて頂きました。

簾戸は、すどと呼び夏の時期に取り替える素晴らしく清涼感のある知恵です。奥に拡がる屋敷林を簾戸を通して感じられるよう簾戸の障子は、主張しない配慮をいたしました。

また、敷地に無惨に転がっていたつくばいを復活させ、筧で水音を奏でるように仕掛け、静寂な林の音に、わずかな水音が響くよう筧の口を調整しました。暖かくなってきた昨今、私たちの感覚にも残されたあの、自然が紡ぐ音や風の清涼感をまた味わいたいものです。

2019.5.3 投稿|